本気で書くよ - ＯＲＪＰの隠れ家

あの安藤健二がドキュメンタリーで衝撃デビュー！
皆さんは覚えているだろうか、酒鬼薔薇事件当時「反動！」という名のウェブサイトが
少年法で守られた加害者少年の顔写真をアップロードしていたのを。サイト管理者の
名は安藤健二、その類まれなる好奇心と行動力と知性を持った彼が、７年経った今、
「封印作品」を徹底的に追った。二度と放送されないテレビ番組、単行本に収録されない
漫画、その裏にあるものは何か？５０人以上への取材、インタビューは単に封印作品が
生まれた経緯を明らかにするだけでなく関係者の苦悩、利権、無念、ビジネス、はたまた
差別問題、人権運動の現在像を白日のもとに晒していく。新聞記者経験のある筆者だけ
あって、報道記事やインタビューを中心に据えた飾りのない筆致は読みやすく、地を這う
取材は刑事ドラマを思わせる緊張感に溢れている。森達也に匹敵するドキュメンタリーの
新星が誕生したと言っていいだろう。当事者の証言が豊富なこの一冊、今後「封印作品」を
学ぶものにとって第一級資料となる事は間違いない。文句なしで買いだ！サブカル良書です。