札幌ローカル日記

9/24
暫退で2人の女がラジオをやっていた。ナンシー、キャシーと言うらしい。しばらく聴いていたが突如片方が丸の内サディスティックを熱唱し始め、俺は椎名林檎が冒涜されたと感じ急に不愉快になり飯を食いに外へ出た。
歩いて札幌駅エスタへ。連休のせいか家族連れが多い。当然俺のストライクゾーンど真ん中の少女達も多い。俺は久しぶりの人ごみに苛立ったり少女に癒されたり短時間に何度も心を揺さぶられているうちに段々と不安定になってきた。そしてつい、札幌駅南口からエスタに続く階段を杖を突いて辛そうに上っているババアの、その重そうな荷物を持ってやるという善行に出てしまった。聞けば室蘭に帰るところだと言う。裏切りの街、室蘭・・・。俺は条件反射的に「いい街ですよね」と言いながら、某の味わっている地獄を想像していた。
ラーメン共和国は10階だ。エレベーターを待ちながらハーフダラーでマッスルパスの練習をしていたら10歳くらいの少年が汚い物でも見るような、そして不安そうな眼差しを俺の手に向けていた。マジックが起こす現象があまりに日常を超越している場合、それは、観客に気持ち悪さや不安・恐怖といった感情をもたらす事が少なくないが、俺自身がそういった視線を向けられるという事態は想定していなかったので軽くショックを受けた。ただのマッスルパスなのに・・・。
エレベーターがラーメン共和国に着いた。「麺家 風」が閉店するというので赤味を食ってみる。以前食った無双麺は可もなく不可もなくそれ以来この店には来ていなかった。赤味登場。一口食って「しまった」と思った。こんな美味いラーメンを食わずにいたとは。これからは気軽にこれを食う機会も失われるという落胆と目の前の赤味の美味さとで再び俺は不安定になった。ちなみに向かいに出店していた「青葉」は既に閉店していた。激戦区である。
食後9階に降りる。ゲームセンターがあるためか少女率が高い。祭りの時に感じた興奮と似たものを覚える。麻雀格闘倶楽部に座る。ネットワークにより全国のプレイヤーと対戦できる麻雀だ。一級のBLADEというプレイヤーと同卓になった。どれほどの腕かと注目していたらオーラスで4着確定アガリをしやがった。トップと競っていた俺が一番損をした形だ。東風荘の方がマシだわいと呟き同フロアのペットショップへ。10歳くらいの可愛い女の子がケースに入った子猫に「にゃー、にゃー」とずっと話し掛けていて誘拐したくなった。
階下のビックカメラをうろつき外に出ると、札幌デジタル専門学校の外壁が今日もきらきらと魚の鱗のように輝いていた。あのビルの外壁が常に、陽光を受けたさざ波のように見える仕掛けを今日こそは知ろう。そう思い専門学校へ。
窓口のおっさんに聞いたところ、壁一面にセラミック製の小さな円盤がフックのようなもので引っ掛けられており、それらが風を受けてくるくると回転する事で波打つような光を作るのだ、という事だった。なるほど考えたものだ。俺は馬鹿でかい液晶パネルか何かなのではと想像していたので、その意外に原始的な造りとそれが実現した美の緻密に感動した。ただ、セラミック円盤はしっかり固定されたものではないため強風の日には円盤が落ちてくる事もあるという。俺はフリークライマーを招集し特定箇所のセラミックを外す事でデカデカと「おまんこ」の四文字を外壁に表す野望を