借金できる能力
http://d.hatena.ne.jp/dokusha/20060124 経由
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20060123/1138000217
これは、何千万円もの借金を抱えている人を、貧乏人といって嘲笑うのに似ている。その人は、何千万円もの借金ができるほどの社会的信用力があったのだ。ほんとうの貧乏人は、信用がないから、そんな何千万円も貸してくれる人はいないって。あなた、銀行に行って、お金を貸してくれるように頼んでみなよ。あなたという人間の価値が何円になるか、銀行が査定してくれるから。たいていは、落ち込むほど安く見積もられるから。
この部分を読んで阿佐田哲也のこれを思い出した。
- 作者: 阿佐田哲也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1986/10
- メディア: 新書
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「三〇〇分一本勝負」という話の中の台詞。学生のヤー坊と家電屋が麻雀で勝負し、家電屋は種銭が尽きる。んでその場では「一瞬」というルールがあって、1回だけ負け分の支払いを遅らせて勝負を続行する事ができる。次の勝負で勝てば前回の借りを返してチャラ、負ければ二度目の「一瞬」はできないから退場。家電屋が一瞬を申告したシーンから。
家電屋はうす笑いしてこう言った。
「おい、ヤー坊、君なんかは若いからわかるまいがな。世の中、現金(キャッシュ)なんかで動いてやしない。大部分はすべてこれ一瞬で、信用と実力による借金で成り立ってるんだ。一瞬がなにがはずかしい。一人前の大人ってものはな、いかに借金が利くかできまるんだよ。現金を持ってなきゃ歩けないのは子供なんだ」
そして二人はこの後、翌朝5時までの5時間にどちらがより多くの金を借りて来る事ができるか、という勝負をする。勝者は敗者が集めてきた金を総取りできるというルールで。二人は夜の町に飛び出しあらゆるツテを辿って金を集めるのだが・・・。オチは読んでのお楽しみ。