中学で「患者は早く死ね」

暫退経由
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060401-00000012-mai-soci

 神戸市長田区役所の医師で部長級の男性職員(57)が昨年11月、同区の市立中学校で生徒にエイズに関する講義をした際、「エイズになれば、自覚症状がないまま他人にうつす恐れがあるので、(患者は)早く死んでしまえばいい」などと発言していたことが分かった。市は31日、誤った発言で生徒に著しいショックを与えたとして、この職員を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にしたと発表した。

「目の前の患者の命はとにかく全力で救うべき」というミクロな視点で見れば問題発言であるし「医師は国民全体の保健をも考えるべき」というマクロな視点で見れば全くの正論。たまたま前者が多数派で後者が少数派だったために懲戒受けたってだけで、正しいか正しくないかというレベルの話をすると俺は正しいに一票。つうかこれは疫学(公衆衛生)軽視、更に言えば医療経済軽視に端を発するニュースであって、まだ日本社会は「人命は地球より重い」の価値観から脱却できていないのではなかろうか。目の前の1人の命と未来の1千万の命、どちらが大事ですか、という問題をこの医師は投げかけているわけであって、それに気付く事ができた中学生が皆無でなかった事をただただ祈っている。